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『日本看護管理学会誌』にて田中講師の論文が掲載されました
一般社団法人 日本看護管理学会が発行している「日本看護管理学会誌」にて、本学の教員である田中慎吾講師の論文が掲載されました。
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病院機能分化と在宅医療との連携が進む中,退院支援の重要性が増している.退院支援の質向上のために病棟看護師の能力向上が不可欠である.本研究の目的は,急性期病院の病棟看護師を対象に,退院支援促進の組織的要因や退院支援を実践する看護師の個人的要因が退院支援の実践のどのような側面に影響するかを量的に検証することである.
本研究では,先行研究のデータを利用した二次解析を行った.東北,関東甲信越,東海北陸の3地域の急性期病院を無作為抽出し416名分のデータを対象とした(有効回答率32.3%).従属変数には病棟看護師の退院支援実践自己評価尺度の4つの下位因子を用いた.独立変数は過去に退院支援との関連が示唆された個人的・組織的要因に加え,他施設勤務経験を自作項目で設定した.
重回帰分析の結果,臨床経験年数,及び退院患者受け入れ施設との交流機会は全従属変数に有意な正の関連があった.勉強会参加経験や病棟担当の退院調整看護師がいることは一部の従属変数に有意な正の関連があった.他施設勤務経験は一部の従属変数に負の関連があった.
退院支援の質向上には,退院患者受け入れ施設との交流機会の確保や目標とする退院支援実践に応じた組織的支援を検討する必要がある.