対象者別
本大学院は、建学の精神である赤十字の理想とする人道的任務の達成を図るため、看護に関する学術の中心として、広く看護の実践と教育・研究に関する理論と専門技術を教授研究し、深い学識及び卓越した感性と人間性を備えた高度な看護専門職の育成を図り、看護学の発展とともに世界の人々の健康と福祉の向上と豊かな生活の創造に寄与することを目的とする。
広い視野に立って深い学識を教授し、人間性を涵養するとともに、看護学における研究能力及び高度な専門性を必要とする看護職としての高い能力を培うことを目的とする。
本大学院はこのような人を求めています。
本学では、教育理念と教育目的に基づくディプロマ・ポリシーを達成するために、カリキュラムは、次のように編成しています。すなわち、「教養科目」、「専門基礎科目」では、本学の建学の精神である「赤十字」の基本原則と活動について学ぶとともに、「人間」と「環境」との相互作用において生じる「健康」の様々な段階について学びます。さらに、「専門科目」では、基盤育成看護学、ケア創生看護学、地域共生看護学、看護学の技と知の統合の分野から「看護」について学ぶことができるよう各科目を位置づけています。
本学の建学の精神である赤十字に関する科目は教養科目として位置づけ、赤十字の理念と活動を理解したうえで、主体的に探求する「赤十字総合セミナー」と、赤十字の理念を行動に移す「ボランティア活動論」を設置しています。
コミュニケーション技術や生きる力への思いやりの態度を身につけ、人の生命や生きる営みを支える能力を育成することを目指したコミュニケーションツールである語学科目として英語と本学の地域性を活かしたスペイン語、ポルトガル語を設置し、特に英語は、「国際救援と英語」等、4年間、継続して学習できる機会を設け、各学年に配置しています。
看護の対象者と円滑なコミュニケーションを図るために、「コミュニケーション論」で基本を学び、そのうえで専門的なコミュニケーション技術を身につけることを目指して精神看護学領域の各科目を設置しています。
看護においては、一人の人間を統合的に理解することが重要です。そこで、人間のライフサイクルから変化を捉える「人間発達論」と「家族論」、遺伝やスポーツ、生活を営む社会や環境を知り、健康への影響を理解する「遺伝と健康」、「環境問題と健康」等、人間の身体的側面について理解する科目として、「形態機能学」、「病理学」、「感染制御論」等、精神的側面について理解する科目として「臨床心理学」を設置しています。さらに、各看護学専門領域に病態・治療論を配置し、病態・治療と看護のつながりを強化していることも特徴です。
看護のアセスメントの基盤となる検査・治療について理解する「臨床検査概論」、「薬理学」、「人間工学」、「リハビリテーション論」、さらに地域における看護を展開するために必要不可欠な「疫学」、「公衆衛生学」等も設置しています。
看護の専門性を追求するために基盤となる科目としては、「看護学概論」等と各看護学領域の援助論を設置し、「基礎看護学技術」をはじめとする各看護学領域における技術演習、実習、「技術特別演習」、「統合実習」で、看護の技と知の統合を目指します。また、保健・医療・福祉の場で看護の専門性を追求するための科目として、「看護管理学」等を設置し、地域社会における看護の役割を学ぶ科目にも力を入れ、「在宅看護学概論」、「公衆衛生看護学概論」等を設置しています。
赤十字の看護大学卒業生としての自負を持ち、看護師としてのキャリアイメージを強化するための「看護プロフェッショナルセミナー」やプロフェッショナリズムの育成を目指した「看護キャリア開発論」、さらに生涯にわたって学び続けるための基礎力となる研究力を身につける科目として「卒業研究」も設置しています。
本学の教育課程の特長である国内外の救護の場における看護の役割を認識することと災害関連死の予防、防災教育を実践するための科目として、「災害看護学概論」、「国際救援看護論」等を設置しています。
本学の教育理念、教育目的、教育目標を実現することを意図したカリキュラムを編成し、所定の単位を修めた学生は卒業が認定され、学士(看護学)の学位を授与する。卒業までに以下に挙げるようなことを身に着けていることが求められる。
赤十字の基本原則を理解し、人間としての尊厳と権利を尊重・擁護するために専門的立場から行動することができる。
コミュニケーション技術や生きる力への思いやりの態度を身につけ、人の生命や生きる営みを支えることができる。
一人の人間を身体的・精神的・社会的な側面から、統合的に理解することができる。
事実を把握したうえで、専門的知識、先行研究、経験等を活用し、状況について多角的に分析・評価を行い、問題を創造的に解決することができる。
健康問題に対する人間の反応を把握し、個別性を尊重した看護を的確かつ安全に実施することができる。
地域社会における保健・医療・福祉・救護の分野で看護が担うべき役割を認識し、他の専門職と協働して看護ケアを実施することができる。
自己啓発力・自己学習力をもって、生涯にわたって学び続けることができる。
国際社会における健康ニーズを把握するために異文化の理解に努め、グローバルな視野に立って、専門職としての看護の役割を認識することができる。
災害時の救護、災害関連死の予防、防災教育などを実践するための基礎的能力を養い、被災者の生活に関する健康ニーズを理解することができる。